【3章開始時点までの展開】


プロローグ 王国暦1285年6月
10年前。
魔王討伐隊が魔王の討伐に成功するが、退却路を確保していた王国騎士団兵が、魔王という抑制を失った魔物の暴走により壊滅。
退却路を作り出すために奮戦した魔王討伐隊隊長・カロルは死亡。

魔王討伐の資金を捻出するために国王らは重税を強いていたが、結果として魔物の暴走が起きてしまった。
国王らは、このままでは民衆の反発が強まり王制が崩壊すると判断、重傷を負って床に伏している騎士団長レイがいないまま「五長会議」を行う。
神学長リンドは投票を棄権し、王族3人の賛成により、カロルログナミスティクローセリルバルドー魔王討伐隊の6人に責任を押し被せ、賞金首に。
生き残ったログナたち5人のうち、クローセリルバルドーミスティとともに国外(魔物の支配地域)へ脱出。
ログナは、孤児だった自分を育ててくれた故郷、キュセ島に戻り、隠れ住むことになった。



1章 王国暦1295年12月
10年後、偶然から発見されてしまった魔王討伐隊の元隊員ログナが、キュセ島の人々を人質に取られて、ふたたび王国に呼び戻される。
傾いた王国を一人で支える騎士団長レイ(46歳・女・ログナとは戦友)から指示を受け、10年前に戦死したカロルの名を騙る「カロル盗賊団」の討伐におもむく。
部下→イシュ(25歳・女・ノルグ族)、ルーア(20歳・女・12歳の時のトラウマからノルグ族を遠ざけている)、トライド(18歳・男・実力は確かだが頼りない)

4人はまずラシード砦を叩いて奪還に成功するが、近くのラオ砦にいた「カロル盗賊団」の団長が直接、救援にあらわれる。
団長は、かつて魔法剣を操り、騎士団を分裂させて行方をくらませたフォードではないかと、レイは予測していた。
しかし「カロル盗賊団」(正式名称 カロル兵団)の団長としてあらわれたのはフォードではなく、元魔王討伐隊の少女・ミスティだった。
先天的才能に恵まれ10歳で魔王討伐隊に所属していた彼女は、魔物の巣窟で毎日生死の境を行き来した結果、20歳という若さで既に、圧倒的な力を身につけていた。
かつてミスティを守る側だったログナは、なすすべもなく敗れ去り、慈悲をかけられ見逃される。



2章 王国滅亡
王都に戻ったログナは、今度は魔物が急激に強くなったという王都北部城塞へ入るように指示される。
王都北部城塞につくと、すでに魔物の大規模侵攻が始まっていた。五ノ砦のうち三ノ砦まで突破され、陥落寸前に追い込まれている。

正面突破は不可能と判断し、支城から侵入を試みるも、すでに支城も陥落していた。
イシュの大活躍で支城を突き進むが、イシュルーアには確執があり、危機に陥ったルーアを助けるためのログナの指示を、イシュは無視する。
遠距離魔法の使えないログナが慌てて全速力で走り、援護。どうにか間に合い、ルーアは窮地を脱する。

ログナトライドが魔物と戦う中、休憩を命じられたルーアと、イシュ
ルーアは休憩中、なぜ命令を無視したのかと怒って詰め寄るが、イシュは危険な魔法を使ってルーアの動きを止める。

2度、ルーアを殺しかけたイシュに対し、ログナは即時王都へ戻って謹慎しているように伝える。
王都北部城塞の守備隊のなかに、絶対に助けたい友人がいるイシュは、またも命令を無視。ひとりで三ノ砦まで突っ込んでいってしまう。

他の3人は援護にまわらざるをえなくなり、そのまま三ノ砦まで到達。
生き残りの守備隊(イシュの友人・テイニノルグ族)とともに魔物をどうにか蹴散らし、結果的に、三ノ砦の奪還に成功する。
ログナは、ノルグ族13人しか生き残っていない状況をかんがみ、命令違反したイシュの処罰をしばらく棚上げすることにした。

そして生き残りの兵士たちの中から、四ノ砦に魔物が入り込んだとの情報が寄せられ、休む間もなく向かう。
四ノ砦にいた守備隊はほぼ全滅していて、その中心には一体の魔物が立っていた。
その魔物はロド語を解して話し、ガーラドールと名乗る。
「ロド王国を滅ぼすためにミスティと手を組んだ」そう話すガーラドールは油断しており、ログナから一太刀浴び負傷。
「こんなところで時間を潰していていいのか」と、挑発したのち、撤退する。


ログナたちが王都北部城塞で戦っている間、王都では、ガーラドールと同じく人語を解す魔物たちによる襲撃が起きていた。
敵の狙いは国王および五長会議
この襲撃により、
現国王 パウル・ロド
近衛兵(王護衛の精鋭部隊)長
第一王子(王の長男) ステイシス・ロド
宰相(王の次男) ラデク・ロド
将軍(王の嫡孫) エル・ロド
騎士団長 レイ・アスタス
神学長  リンド・バルテン
王国の基盤を成す、すべての長と副長が殺害されてしまうことになる。


いっぽう、王都北部城塞ログナたちは、ガーラドールが去った後の四ノ砦で、連絡用の鳩が、王都方面から大量に飛んできていることに気付く。
胸騒ぎを覚えながら王都北部城塞の状況を確認していると、四ノ砦にて、王国軍将軍エル・ロドが死亡しているのが見つかる。
そして、鳩にくくりつけられていた手紙を、ログナは受け取る。そこには、王都(騎士団長レイ)からの救援要請がしたためられていた。

ほぼ同時に、侍女たちの遺体の山のなかから、将軍エル・ロドの実妹で、陣中見舞いに来ていたラヴィーニア・ロド王女が発見される。
状況の変化を感じたログナは、すぐさま隊をふたつにわける。
イシュトライドと守備隊の一部に、ラヴィーニア王都北部城塞を任せ、自らはルーアテイニと守備隊の一部を伴い、王都へ急行する。

ログナは、王都に向かう途上で、王都から逃げる人々を護衛する騎士団員ギニッチテルセロと出会う。
そこで、レイが戦死したという事実と、現場で、異質な黒い帯状の光を見たという目撃情報を聞かされる。
黒い帯状の光は、ログナミスティと対峙した際、ミスティが攻撃に使っていたものだった。



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